カメラの設定ウィザード
このウィザードでは、ビジョンシステムの設置を最終完了し、ビジョンキャリブレーションの実行へと続きます。

図 136 カメラの設定ウィザード
カメラの設定ウィザードは、9つのステップで構成されています。
このウィザードを開始する前に、カメラが正しく設置されていることを確認してください。
カメラはピッキングエリアの中央の上に配置されていること。
レンズの表面とアジキューブのプレートの間の距離が、 EYE+ XTD キットの動作距離に相当すること。
カメラの EYE+ XTD ロゴは、ピッキングエリアの長辺に沿って配置すること。
The lens cover is removed.
注釈
詳しくは カメラとレンズの取り付け を参照してください。
1.始める前に
定規(メートルまたはインチ基準)を用意します。
重要
自動運転環境と同じ設置状態を維持してください。たとえば、自動運転時にカメラの視野を遮るものがある場合は、その要素をそのままにしてください。カメラ設定時に関心領域(ROI)を正しく定義するために必要です。

図 137 始める前に
2.照明を設定する
「照明を設定する」では、使用したい照明を選択してください。バックライトとフロントライトの点灯・消灯を選択できますが、最低でもどちらか1つを選択してください。
ヒント
この時に、利用可能な照明を全て選択することをお勧めします。レシピを作成する時に、選択された照明をご利用いただくことになります。キャリブレーションに関しては、最も適切な照明を、システムが自動的に選択します。

図 138 照明を設定
3.キャリプレーションパターンを設定する
このステップでは、カスタムキャリブレーションパターンに必要な設定を入力できます。パターンの作成方法については、章 カメラ設定用パターンの作成方法 をご参照ください。
アジリルの標準キャリブレーションプラットフォームをご利用の際は、
をクリックして設定をインポートしてください。キャリブレーションを実行すには、以下の設定値が必要です:
正方形の数:角が丸いものを含めた、パターン内の正方形の総数です。
正方形のサイズ:1つの正方形の一辺の実際の長さ(ミリメートルまたはインチ)です。
支持体の厚み:パターンが印刷または取り付けられている素材の厚さです。

図 139 キャリブレーションパターンを設定する
4.絞りを設定する
カメラの絞りを 5.6 に調整してください。この絞り値に設定することにより、 EYE+ XTD キットに付属されているカメラとレンズの最適な画像コントラストを狙うことができます。次に、レンズの上部のネジを使ってこの絞り値をロックしてください。

図 140 絞りを設定
5.カメラの位置づけ
ここでビジョンシステムが適切に取り付けられているかどうかを確認してください。正しく取り付けられていない場合は、適切に調整する必要があります。

図 141 センターポジション
ヒント
キャリブレーションプレートがはっきりと見えない(暗すぎる)場合は、バックライトを点灯させます。
カメラの位置を調整して、緑の十字の中心がビジョンキャリブレーションプレートのほぼ中央に来るようにします。中央に調整してから、カメラをしっかりと固定してください。この後は絶対にカメラを動かさないでください。

図 142 センタリング(中央寄せ)できていない

図 143 センタリング(中央寄せ)できている
より正確にセンターボジションに調整するために、ズーム機能を使用することができます。ズームするには、ライブビューの右下にある「+ボタン」を使用してください。

図 144 センターポジションズームイン
注釈
カメラの設定は十分に堅牢であるため、キャリブレーションプレートの端が一部隠れていても問題ありません。長辺方向では最大1本、短辺方向では最大3本のラインが隠れていてもキャリブレーションが可能です。
しかし、あまりにも多くのラインが隠れてしまっている場合は、システムは、" ビジョンキャリブレーション不可 " というエラーメッセージを表示します。
6.フォーカスを調整する
できるだけシャープな画像になるまでピントを調整してください。次に、レンズの底面のネジでこの位置を固定します。画像を正確にフォーカスするために、ライブビューの左側にあるフォーカスゲージを使ってください。
偏光照明 を使用している場合は、偏光フィルターを正しく取り付けてください。反射を最小限に抑えるように回転させた後、フィルターリングがずれないようにロックスクリューをしっかり締めて固定してください。

図 145 フォーカスを調整する
重要
このステップを正しく実行しないと、画像解析のパフォーマンスが低下する場合があります。
ヒント
キャリブレーションプレートがはっきりと見えない(暗すぎる)場合は、バックライトを点灯させます。
7.動作距離を測定する
キャリブレーションプレートからレンズのフロントフェース(前面)までの距離を測定します。この動作距離は、部品の視差効果を補正するために必要です。インターフェース画面にこの測定値を入力します。

図 146 動作距離を測定
注釈
パララックス効果(視差効果)や、補正の仕方の詳細については、 透視投影補正 を参照してください。
8.ビジョンキャリブレーションを実行する

図 147 ビジョンキャリブレーションを実行する
プレート上の視野がクリアになっている(余計なものがない)ことを確認し、
をクリックします。このステップでは、ビジョンキャリブレーションをします。事前に入力されたパラメータが反映されます。ビジョンキャリブレーションは、キャリブレーションパターンに印刷されたチェッカー状の模様を使用して、画像の補正をします。具体的には次のようなことです。
歪み補正
RMS 誤差歪み補正計算
関心領域(ROI)の定義
ピクセル/ミリメートルまたはピクセル/インチの計算
視差補正
注釈
ビジョン補正の詳細については、 ビジョンキャリブレーションを行うのは何ですか? を参照してください。
9. カメラの設定の結果
カメラの設定の結果では、ビジョン修正前の画像とビジョン修正後の画像が表示されます( 図 148 )。

図 148 カメラの設定の結果
注釈
ビジョンキット用に選択されているレンズには魚眼レンズ効果がほとんどないため、表示された修正前後の画像は非常に似ている可能性があります。
右の画像の緑色の四角形は、対象の領域を表しています。
ここには RMS エラー とピクセル/ミリ単位またはピクセル/インチ単位のスケールが表示されます。
重要
RMS 誤差が1より大きい場合は、補正が適用されません。
結果良好である場合、
をクリックして保存してから、ウイザードを閉じます。